甘くて酸っぱいスイーツホオズキ 秋田・上小阿仁の鈴木さん 栽培7年、出荷1トン目指す

2019年09月03日

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ホオズキの枝ぶりを見る鈴木さん=秋田県上小阿仁村

 秋田県上小阿仁村で「たじゅうろう農園」を経営する農家鈴木孝明さん(65)が村特産の食用ホオズキの有機栽培に力を入れている。実の糖度は15度程度と高く、甘酸っぱさがある。「コアニスイーツホオズキ」と名付けて主に菓子の原料向けに出荷している。

珍しい菓子利用

 ホオズキの菓子は全国的に珍しく、県内企業が昨年発売し人気商品となった。鈴木さんは「大きな可能性のある作物だ。雇用を増やし、地域活性化につなげたい」と作業に汗を流す。
 ホオズキは背丈が2メートル以上に伸び、花が次々と咲く。収穫時期は7月末から10月までと長い。殻の中にある2センチほどの実は、熟すとそのまま食べられる。
 鈴木さんは秋田市の会社に勤務していたが、2011年に早期退職して実家のある村に戻った。村非常勤職員を経て13年にホオズキの栽培を始めた。
 試行錯誤を繰り返した。今年は市販品を改造した発光ダイオード(LED)の育苗器を初めて使用したところ、根の張りなど生育が良くなった。
 出荷量は17年に300キロ、18年は700キロと増加。今年は1ヘクタールの畑とハウス3棟で栽培し、過去最大の1トンを見込む。

想定以上の需要

 たじゅうろう農園のホオズキを使った菓子は県内外で人気を集める。仙北市角館や仙台市などで店舗展開する菓子店「くら吉(きち)」は昨年7月、ホオズキ入りのクリームをタルト生地で挟んだ「ほおずきウィッチ」を発売した。
 菓子開発は、18年2月に東北経済産業局と東北農政局から農商工連携事業に認定されて具体化した。計画では1年ごとの販売目標があり、5年後は3000万円を掲げる。「ほおずきウィッチ」は初年度、約1300万円を売り上げた。
 首都圏の百貨店のギフトカタログにも採用されて高い評価を得たが、想定以上の需要にホオズキの調達が間に合わず今年1月に販売をいったん休止した。今夏の収穫に合わせて8月24日に販売を再開した。

販売増の可能性

 連携事業の代表者を務める菓子製造「ゆう幸」(秋田市)の佐々木幸生社長は「ホオズキは食べておいしいという新鮮な驚きがある。もっと販売が伸びる可能性を秘めている」と期待する。
 栽培現場の悩みは人手不足で、今後はパートなどを増やして生産規模拡大を狙う。鈴木さんは「栽培7年目で自分なりの栽培方法ができてきた。楽しく楽する『楽農』を目標に長く続けたい」と意気込む。

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