いわきの県道の崖崩れ、原因は岩盤風化 きょう通行再開

2019年08月29日

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片側1車線で暫定的に通行が再開された鹿島街道(=2019年8月29日午後4時15分ごろ、いわき市鹿島町)

 いわき市鹿島町の県道(通称鹿島街道)沿いで24日起きた崖崩れで、国土交通省は28日、福島県の要請に応じ現地調査を行い「岩盤の経年的な劣化・風化が原因と考えられる」との見解を示した。県は、県道の通行止めを29日午後4時に解除すると発表した。
 国交省が国土技術政策総合研究所の水野正樹深層崩壊対策研究官ら土砂災害専門家4人を派遣した。
 水野氏によると、現場の岩盤は風化しやすい凝灰質砂岩。崩落した岩は亀裂に雨水が染み込んで黒くなったとみられる跡があり、表面の風化も進んでいた。
 岩山には戦後まで住宅部材の石切り場として使った空洞があり、水野氏は「空洞も(崩落に)影響したと考えられる」と説明。「地震で亀裂が入ることはあり得る」と、東日本大震災の影響もあったとの見方を示した。
 県は通行止め区間(約1.5キロ)の解除に向け土石を囲むように高さ2.7メートルの土のうを約60メートルにわたり設置した。仮設のガードレールや信号機も設置した上で、4車線のうち2車線を使って片側1車線で通行を再開させる。
 県は土石撤去など対策工事の調査に入るが、本格復旧のめどは立っていない。

◎渋滞、客足減…生活に打撃

 いわき市鹿島町で起きた崖崩れで、市街地を結ぶ幹線道路の通行止めが市民生活に影響を与えている。迂回(うかい)路は通行量が増え、メインとなる国道6号は朝夕の渋滞が激しい。
 国土交通省磐城国道事務所によると、週明けの26日の通勤時間帯は最も近い交差点付近で上下線とも約4キロにわたり渋滞。27日以降はやや緩和されたが、通過に時間がかかる状況が続く。
 路線バスを運行する新常磐交通(いわき市)によると、約1.5キロの通行止め区間の停留所を休止し、6号などを迂回。26日朝は渋滞で最大約30分の遅れが出た。迂回は高速バスを含め1日約100便に上る。
 通行止め区間の沿道の店舗は客足が減少。臨時休業する店もあった。
 「車や人がこれだけ少ないのは東京電力福島第1原発事故で市民の多くが避難した時以来」と薬局経営の鈴木祐司さん(47)。なじみの客は店に足を運んでくれるが、新規は皆無だ。
 県は29日に2車線で通行を再開させるが、本格復旧は未定。鈴木さんは「通行量は戻るのかどうか、混雑は解消されるのか、心配は尽きない」と話した。

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