津波の脅威と震災前の暮らし伝える 仙台市荒浜の震災遺構「住宅基礎」公開

2019年08月03日

4枚目/9枚中

公開が始まった荒浜地区住宅基礎遺構の記念式典であいさつする郡仙台市長=2019年8月2日午前11時5分ごろ、仙台市若林区荒浜

 東日本大震災の津波で流失し、住宅の基礎だけが残る仙台市若林区荒浜の震災遺構「仙台市荒浜地区住宅基礎」の一般公開が2日、始まった。現地で公開記念式典があり、参加者は津波の脅威を再確認し、震災前の暮らしに思いをはせた。
 公開されたのは深沼海岸西側で、鎮魂のモニュメント「荒浜記憶の鐘」に隣接する5000平方メートル。住宅6戸の基礎などが残り、津波による浸食で生じた大きなくぼみが3カ所にある。
 津波の威力を実感しやすいよう、住宅基礎にはほとんど手を加えず、被害のありのままを公開する。震災前の荒浜の暮らし、被災後の状況、津波のメカニズムなどを写真と証言で伝える説明板7枚を設置した。
 郡和子市長は記念式典で「この場に立って『震災とは何だったのか』と心に刻むような場所になることを願っている」と語った。
 荒浜の元住民も式典に参加した。青葉区の主婦佐藤玉枝さん(62)は、2017年に他界した父親の遺影を抱え、震災遺構となったわが家の跡を見つめた。
 「建設会社を営む父が建てた家。津波に襲われても基礎や風呂場の一部が残ったのは、父がきちんと仕事をした証し」と佐藤さん。「荒浜の住民はばらばらになったが、震災前はにぎやかな場所だったことを忘れないでほしい」と願った。
 見学は自由で入場無料。駐車場は9月までに完成する。スタッフは常駐しないが、震災遺構「荒浜小」に連絡すれば市嘱託職員が住宅基礎群を案内する。

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