伊達騒動と深い関わり 仙台・榴岡の文化財「釈迦堂」320年経て大修復

2019年04月19日

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解体が始まった屋根の下をチェックする小山教授(右)ら=2019年4月9日、仙台市宮城野区

 仙台藩4代藩主伊達綱村(1659~1719年)が母三沢初子の冥福を祈って建立し、東日本大震災の影響などで劣化が進んだ仙台市宮城野区榴岡の市登録文化財・釈迦堂が全面修復されることになり、解体工事が始まった。約320年前の創建以来初めての大修復で、完成当初に近い姿に復元する。2021年の作業完了を目指す。

 釈迦堂は仙台藩を揺るがした寛文事件(伊達騒動)と関わりが深く、母子愛を象徴する歴史的建造物として知られる。高さ11.8メートル、幅・奥行きは7メートル。当初は現在のみやぎNPOプラザ(宮城野区榴ケ岡)付近にあったが、1973年、宮城県図書館の建設に伴って初子の菩提(ぼだい)寺である日蓮宗本山・孝勝寺の境内に移った。
 さらに本堂の建設などに伴って境内で移築を繰り返し、震災では壁などが破損して倒壊の恐れが生じた。元は瓦屋根で白木造りだったとされ、周囲に縁側が張り巡らされていたが、移築を繰り返すうち縁側は外され、屋根は銅板に替わるなど大幅に改変された。
 孝勝寺は昨年、綱村の300回忌に合わせて修復を計画。総工費約1億3000万円のうち、6000万円の寄付を募っている。寄付者には税の優遇措置を適用する指定寄付金制度を活用する。
 今月初旬、施工業者が小山祐司東北工業大教授(日本建築史)の指導を受けて屋根の銅板などを外す作業を始めた。約2カ月かけて解体し、仙台藩が残した建築物に関する記録などと照らし合わせて作業する。
 孝勝寺の谷川海雅(かいげ)貫首(80)は「親子愛や慈悲の心を象徴する文化財として後世に受け継ぎたい」と意気込む。寄付に関する連絡先は同寺022(256)5402。

[釈迦堂]1695年建立。伊達騒動に巻き込まれた綱村の命を守ろうと、母初子が懸命に祈りをささげたことに感謝して建てられ、母子愛を象徴する。初子が身に付けていたとされる約5センチの仏像が守り本尊。綱村が釈迦堂周辺に多数の桜を植え、榴岡公園は桜の名所となった。近くに初子の墓「政岡墓所」がある。

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