広田湾の「雪解け牡蠣」甘味上々 被災漁師佐々木さん、今年も販売 知名度アップへブランド化着々

2018年04月04日

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築地市場に出荷する春ガキの箱詰め作業=2018年4月1日、岩手県陸前高田市

 岩手県陸前高田市の広田湾で「雪解け牡蠣(かき)」の販売が始まった。東日本大震災後、養殖漁師佐々木学さん(34)=陸前高田市米崎町=が春に水揚げする殻付きカキのブランド化に取り組んできた。栄養豊富な漁場で育ったカキ7万個を5月上旬まで、東京・築地市場や消費者に届ける予定だ。
 気仙川から養分を含んだ雪解け水が流れ込む広田湾は、風が海水をかき混ぜ、春の日差しを浴びてプランクトンが増殖。夏の産卵期に向けてカキの身が大きくなり、甘味も強くなるという。
 今季は「例年より種を間引きしており、品質はいい。生産者が一番おいしいと思うカキに育った」と佐々木さんも太鼓判を押す。
 3代続くカキ漁師の佐々木さんは、震災で加工場や自宅が全壊。技術の礎を築いた祖父健太郎さん=当時(81)=が行方不明になった。奇跡的に漁船が無傷で見つかり、2014年に春ガキの出荷を始めた。
 築地では高値で取引される広田湾のカキだが、施設の復旧を手伝ってくれたボランティアに尋ねても知名度はいまひとつ。そこで漁師が「うまい」と胸を張れる春ガキでファンを増やそうと一念発起した。
 当初1500個だった売り上げは、昨年10万個に増えた。「競争は激しいが、一生懸命やっただけ生産者が評価されれば、次の世代にもつながる」と佐々木さん。1日に発売し、注文は販売会社「佐々木商店」ホームページで受け付けている。

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