<女子野球>仙台出身の阿部闘志「守って走って貢献」 アジア杯あす開幕

2017年09月01日

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練習試合で遊撃の守備に入り、軽快に打球を処理する阿部=2017年8月29日、川崎市内

 2日に香港で開幕する女子野球アジアカップの日本代表に仙台市出身の阿部希(あべ・のぞみ、京都・福知山成美高3年)が選ばれた。仙台市台原中からプレーできる環境を求め、仙台を離れて2年半。初めて「JAPAN」の文字が入ったユニホームに袖を通した。「代表に入れるとは思わず、驚いた。積極的なプレーで盛り上げたい」と誓う。
 初開催のアジアカップは参加6チームの総当たりで覇を争う。今回の日本代表は、高校トップクラスの選手が集まった。「周りが打つので、自分に長打は要らない。守備と走塁、小技で貢献する」と意気込む。
 その思いを、8月29日に川崎市であった強化試合で早速示した。高校入学後初めて、本職の三塁ではなく遊撃の守備に入り、堅実なプレーを披露。短期決戦で複数の守備位置をこなすことを求めた橘田恵監督(仙台大出)の期待に応えた。橘田監督は「三塁との動きの違いに戸惑うことがなかった。適応能力が高い」と信頼を寄せる。
 157センチ、55キロ。3学年上の兄の影響で仙台市小松島小2年の時に競技を始めた。6年でプロ野球東北楽天のジュニアチームに選抜され、今夏の甲子園で8強入りして高校日本代表に選ばれた仙台育英高の西巻賢二(3年)らとプレー。中学卒業後は強豪の福知山成美高に進んだ。
 西巻を含め楽天ジュニア出身の9人が今夏の甲子園の土を踏んでおり、阿部は「自分も負けていられない」と静かに闘志を燃やす。西巻の守備を見て「判断力にたけ、捕球後の動きが速い」と刺激も受けた。
 代表チームの背番号は23。野球を始めた10年前、初めて付けた番号を選んだ。無邪気に白球を追った時の記憶を呼び戻し、アジアの強豪に立ち向かう。(剣持雄治)

<橘田監督「死ぬまでに五輪競技に」>
 「けん制来るぞ、けん制来るぞ。いや、ないわ」「(サインは)何もありません。打ってください」。8月29日の強化試合で、橘田監督は威勢のいい関西弁で冗談交じりに選手を鼓舞した。
 声を出すのは相手の守備位置を確認してほしい時や、力が入りがちな好機で難しく考えずに打席に立ってほしい時など。「自分自身で解決できるようになってほしい」と願う。
 短期間で代表チームを仕上げるこつは、日頃は一緒に過ごさない選手たちの本音を引き出すこと。自ら歩み寄り、感情をあらわにすることはまずない。試合の終盤に長打を放った主砲に対しては「代打を出されると思ってリラックスしてたんやな。今度からそうするか」と笑いながら褒めた。
 野球好きのあまり、作戦の夢を見て疲れが抜けないことも多い。一番の夢は「死ぬまでに女子野球を五輪競技にする」こと。実現に向けた第一章が始まる。

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